本日はSavor the Flavorの日ですが、この時期は新カードプレビューも兼ねているだけにヴォーソスとしてもプレイヤーとしても二重に楽しめます。
The Saint, the Geist, and the Angel
Savor the Flavor: by. Doug Beyer 2011年9月14日http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/stf/160
今週のStFはなかなかに夢が膨らむ効果持ちの伝説のクリーチャー《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》のプレビューでしたが、フレイバー的にも大変興味深いカードになっております。
基本的にこのブログでは公式で翻訳されるのが確定している記事は訳出しないのですが、カードの能力とフレイバーの関係の解説のために、ざっと要約だけを。本当にざっとですので、間違っている部分がありましたら申し訳ありません。
(要約ここから)
ステンシアと呼ばれる州に、夜の眷属たちすらビビる悪霊ハンターとして有名なトラフトさんという兄貴がいました。若い頃から大天使アヴァシン教会の僧侶として悪霊を退治しまくり、彼の卓越した剣技と魔法そして勇気は天使たちも一目置くほどのものでした。アヴァシン配下の戦天使である熾天使はトラフトの力を認め、彼ら共に悪霊たちと戦いました。その功績により、トラフトは齢40を前にして聖人として叙されたのです。
ある日、彼がシャドウグランジの村の自宅に戻ると、天使が彼の家の屋根の上に降り立ち、臨戦態勢をとっているのに気が付きました。天使は悪霊との戦いには現れることはあっても、彼の家に来たことはこれまで一度もありませんでした。驚くことに、家の扉は壊されて立てかけられているのみでした。
とりあえずトラフトが中に入ると、「針の目」として知られる恐ろしい山道のところに短剣を突き立てられた地図と、「天使を連れずに一人で来い」という脅迫状、そして切り落とされた少女の指が!マフィアかよ!
トラフトは天使に何でもないと嘘をつき、一人で指定された場所へと向かいました。天使も彼が何かを隠しているのは判っていたのですが、彼の力を信じて敢えて何も聞かずに行かせました。
なんとかしてたどり着くと、そこには人質の少女とその周りで変な踊りをする怪しいカルト宗教集団が。トラフトに気がついたリーダーは「天使を呼ぶとこの娘を殺す」と宣言し、骨製の短剣を抜き怪しげな呪文を唱えると、周囲に黒い靄がかかり目眩ましとなりました。闇の中、彼は次々とカルト信者たちを倒しました。靄が晴れると、幸運なことに少女は巻き込まれずに無事なことがわかりました。
しかし、そこで彼は恐ろしいことに気が付きました。彼の手の中にあったのは彼の剣ではなく、たっぷりと犠牲者の血を吸った忌まわしい骨の短剣だったのです。どこからか響く恐ろしい笑い声を聞いて全てを悟った彼は少女に逃げるように告げました。
大地が割れ、そこから大いなる角と翼を持つ恐ろしい悪霊ウィゼンガー(Withengar)が飛び出し彼に迫った時、ついに彼はアヴァシンの天使を呼びました。彼女は彼の家の屋根に現れ、彼を行かせるままにした天使と同じ者でした。しかし時既に遅く、彼女が到着した頃にはトラフトは悪霊に殺されていたのでした。
彼女の怒りは一度は悪霊を滅ぼしましたが、ウィゼンガーはいずれまた復活します。そして、トラフトはもう帰ってこないのです。
しかしトラフトは祝福された眠りより、この世に霊としてとどまり悪と戦い続けることを選びました。そして、その後ろには常に一人の天使がいて、彼の一挙手一投足を見守り、 共に行動しているのです。
(要約おわり)
ここでカードの能力を見てみます。
トラフトの攻撃時に4/4飛行の攻撃している天使トークンをタップ状態で出す、というのは死後のトラフトと天使の関係を表してますね。彼を信じた故とはいえ一人で行かせてしまった後悔から、天使は常に彼と共に行動し、共に戦うのでしょう。イニストラードの天使は結構人間臭いのでしょうか?
EoTにそのトークンを追放する、というのはゲーム的にはそんなもの攻撃するたびに増やされてたまるか!ですが、フレイバー的には彼の出す天使トークンは、天使なら誰でもいいのではなく特定の個体、いうなれば「伝説のクリーチャー - 天使・トークン」と言ったところですので、増える訳にはいかないでしょう。ここが似た挙動の《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》との違いでしょう。兵士はあくまで兵士、ということですね。
ゲーム的にも、おっさんに《霊魂のマントル/Spirit Mantle》つけようぜ!とか《幻影の像/Phantasmal Image》が熱くなるな…など色々面白いカードであり、フレイバー的にも深みがあり能力とも噛み合っているという、まさに神話レアにふさわしい一枚ではないでしょうか?
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