公式サイトに掲載されているプレインズウォーカー・コミックは「ヴェールの呪い」以降、公式な日本語訳が存在しません。ネット上でいくつかのコミックの私家訳がアップされていますが、全てではないようです。
あらーら大変(あらーら様のブログ)より
Journey to the Eye, Part 1、2、3
レイモス信者の日記 埼玉編(あいしゃ様のブログ)より
Gathering Forces Part2、3
というわけで、日本語設定でも存在を知ることが出来るのになぜか翻訳されないコミックの一番上に位置しています
【今のは幻術】Awakenings, Part 1【セクシーアノワン先生】
をとりあえず訳出してみましたが、かなりの意訳も含まれています。そして筆者の英語力の低さのために全くの誤訳や勘違いなども存在する可能性があります。もし見つけられた方はご教示くださると嬉しく思います。
Part 2以降も訳出や推敲に時間は掛かりますが、追々掲載する予定です。
なぜか言語設定:日本語では存在すら抹消されている「Journey to the Eye(目を求めて)」と「The Wild Son(野生の子)」……言語設定:EnglishからもPath of the Planeswalkerからも抹消された「Chandra's Ultimate(チャンドラの根本原理)」というのもありますが。
p1 Awakenings(目覚めのとき) Part 1
p2
[Panel 1]
『ゼンディカー、チャンドラ・ナラーがここを通過してから数時間後――』
(舞台であるアクームの北の果てにあるという険しい山脈、”アクームの歯”の遠景)
「あっしは”アクームの歯”のこのルートを通うこと四十季になりやすが、言っておきやすがねダンナ、ドレイクの峡谷を渡ろうなんてすりゃおっ死んじまいますよ。そりゃあもうあっさりと」
「俺を信じろよ」
[Panel 2]
(ドレイクの峡谷の橋を渡る案内人とジェイス・ベレレン)
[Panel 3]
案内人「絶対うまくいきっこねえ…」
ジェイス「うまくいくさ」
[Panel 4-5]
(あっさりドレイクに襲われる二人)
p3
[Panel 1]
(ドレイクにプラーンされてどこかへと連れて行かれる)
[Panel 2]
(岩陰に隠れて様子を伺っていたジェイスと案内人。実は幻影魔法によってドレイクを欺いていたのだった!)
ジェイス「うまくいっただろ」
案内人「とんでもなく頭の回るお方でやすね、ダンナは」
ジェイス「さあ、行くぞ」
[Panel 3]
(今度は本体で橋を渡り始める)
案内人「で、どんなお宝なんで?古代の遺産?失われた都市?いやいや、ダンナは幻影術士でやすから、きっととんでもないマナの源でやすね?」
ジェイス「……知らないな」
[Panel 4]
案内人「ご存知ないですって?じゃあ、何のためにダンナはあっしに遠路はるばるここまで案内させて……」
ジェイス「俺が知っているのは、誰よりも先に目的地に着かないといけないってことだけさ」
p4
[Panel 1]
ジェイス(星の聖域の僧院長からの任務はプレインズウォーカーとの闘いになり、巻物は探索の旅へとなった。
彼女のような炎の魔道士のやり口は、俺に見つけてくれと言っているようなものさ。
そこらじゅうに彼女の焦げくさい魔法を感じる。
おそらく彼女は俺と同じように、地図がどこに導いているのかを発見したに違いないな)
ジェイス「さっさと行こう。彼女はもう幸先のいいスタートをきっている」
[Panel 2]
案内人「ああ、もうそれ以上おっしゃらねえでくだせえ。
好敵手にしてふさわしい相手でやすか!もしかして――昔のオンナってことで?」
[Panel 3]
ジェイス「……好きに言うがいいさ」
[Panel 4]
案内人「わかってやす、あっしにはわかってやすよ。そんなにイライラしねぇでくだせえよ。ダンナのかわいいあの子がまだ山にいるんなら、きっと見つかりやすよ。
(小声で)たぶん上手くいきやすって旦那様」
(ニヤニヤして肩に手をかけてくる案内人をジェイスは華麗にスルー)
ジェイス(あの巻物は古代からのものであり、謎めいている。
『不可視の目』……『透明な炎』?
その秘密を真っ先に掴むのがあの紅蓮術士だったら、何をやらかすかって考えただけでゾッとする)
p5
[Panel 1]
(地図を見て位置確認をするジェイス)
ジェイス「ちょうどこの先を登ったあたりか、やっとだな」
[Panel 2]
(地面に何かの液体が)
ジェイス「なんだこれは?」
案内人「こいつはいけねえ、血だ!」
謎の声「それは私のものだよ」
[Panel 3]
(頭から流血しているアノワン先生登場)
アノワン「いきなり割り込んだことは許してくれ」
案内人「賢者のアノワンさまじゃねえですか!お怪我をなさってやすが、いったい何が起こったんで?」
[Panel 4]
アノワン「私を打ち負かした敵をなんとか追いかけておるのだ。追撃せねばなるまい。
(小声で)しかし、私は出血している。すぐに『食事』をしなくては……。」
案内人「(小声で)あっしはご主人様のためにまさにそのお食事をもってまいりやした。
キャンプであっしを雇ったこの魔法使い……お互いのためにあっしが考えるにゃ……」
p6
[Panel 1]
案内人「ご主人様、まさか!うわああああああ!」
(アノワンは案内人に襲い掛かる。ジェイスは見てるだけ)
[Panel 2]
(じゅるじゅると血を啜るアノワン)
[Panel 3]
アノワン「逃げても無駄だ。私は君も――彼らも見つけるであろう」
ジェイス「そこでじっとしてろ、吸血鬼。俺はお前もあの娘も恐れはしない」
(案内人死亡)
[Panel 4]
ジェイス「お前はあの炎の魔法使いの女をみたんだろ?どのくらい前にだ?」
[Panel 5]
アノワン「私が言っておるのはお前たち二人という意味ではない。
つまり、この世界という檻に囚われたものたちのことなのだ――再びその時が来て、『彼ら』は我々を見出すであろう」
p7
[Panel 1]
ジェイス「何のことをいってるんだ?お前は何を見たんだ?」
アノワン「今、私はそれを見た。お前と彼女はどうやらこの謎の鍵のようだ。私がお前を止めない限りは――」
[Panel 2]
アノワン「――その時は、わが同胞もこの世界も、『彼ら』の餌にされるであろう!」
(ジェイスに襲い掛かろうとするアノワン)
[Panel 4]
(アノワンはジェイスの魔法で拘束される)
p8
[Panel 1]
ジェイス「俺が欲しいのは……」
アノワン「魔道士よ、お前は自分が何をしているのかを知らないのだ」
[Panel 2]
ジェイス「……知りたいのは」
アノワン「愚か者め!お前の心臓を生きたまま引きずり出して、我が渇きを癒してくれるわ!」
ジェイス「……何が起こったのか、さ」
[Panel 3]
(ジェイスはアノワンの記憶を読む)
ジェイス(俺が思ったとおり、彼女はこの場所にいる)
[Panel 4]
(ジェイスは魔法を解除し、アノワンを解放する)
ジェイス(そして、数々の世界と数千年に跨る秘密を見出そうとしている)
(第一部 おわり。第二部に続く)
追跡する相手であるチャンドラとの仲を馴れ馴れしいオッサンに変な勘ぐりされても華麗にスルーするジェイスに成長を感じます。といいますか、ジェイスの中のチャンドラへの評価は散々のようです。
そして、アノワン先生はやっぱりPWにしばかれています。
キャラの口調についてですが、案内人のオッサンは洋画のウザキャラの吹き替えっぽいイメージ。
ジェイスは既出のコミック公式日本語訳に合わせて書いてます。カードのFTは「一番分っているのは私だ(キリッ」とかしてますが、どうも小説を読む限り普段はそういう口調ではなさそうなので参考程度に。
アノワン先生は私には口調の難しいキャラのようです…。
最初の台詞の「四十季」は原語では「FORTY SEASONS」。10年と訳す方がスマートかもしれませんが、ゼンディカーやアクームの季節は四季とは限らないために「季」としています。
余談ですが、「Awakenings」というのは、映画「レナードの朝」の原題でもあります。マジックのコラムは結構映画ネタも使用されているので全くの無関係とは言い切れませんが。最初は「覚醒のとき」としましたが、覚醒は既に「Rise of Eldradi」でRiseの訳語として使われていますので、映画も意識して「目覚めのとき」としました。
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