絵が濃ゆいこと、英語の文献が殆どであること、長期に渡るために資料が膨大かつ入手困難なものも多いこと、日本語による解説が少なくさらにwikiにさえ俗説や二次設定まで入り交じっている場合があって混乱がみられること、一つの言葉の解釈にまで過去の大量の文献をさかのぼって調べないといけなかったりすることなどなどの理由により、MtGの背景世界は敷居が高いというイメージがつきものです。
そこで、本当にゼロから、しかも学生時代は勉強しないでゲームばっかりやってたボンクラ学生だったので英語全然ダメダメなのに、いきなりMtG小説を買ったことを皮切りにゲームをやったことすら無かったのに無謀にも背景世界に首を突っ込んでしまった自分の事例をもちまして「本当は背景世界を楽しむのに難しく考えることはないし、楽しいよ!」という文章を書いてみようと思います。
相当くだらない自分語りが多めですので、閲覧の際にはその点をご了承ください。
■まず最初に
はっきりいって背景世界は「知らなくてもどうでもいいこと」だと思います。背景世界における設定は知らなくてもゲームは出来ますし、カードの絵やフレイバー・テキストを楽しめます。ゲームや絵やFTだけの情報でキャラクターや物語について想像するのも面白いと思っています。
ただ、知るとまた別の感慨や楽しみが生まれます。
■どういうところがいいの?
極めて個人的な事例を話しますと、私が背景世界にハマった直接的な理由は以前にも書きましたが「ジェイスかわいいよジェイス」です。カードも買ったこと無いくせに唐突にMtG小説を買った理由は、いろいろ検索してみた結果「Agents of Artifice」と「Test of Metal」はどう考えても萌えると思ったからです。具体的に何に萌えたかといいますと、極めてお恥ずかしい話ですが私はどうしようもない変態ですので「ジェイスはどうやら過去がかわいそうな子らしい」「親友がいたけど悲しい思いをするらしい」「テゼレットに酷い拷問をされるらしい」という部分に心惹かれたのです。
こんなにどうしようもない人間でもハマることが出来るのがMtG背景世界の懐の広さと奥の深さとも言えるのではないでしょうか。
広大な多元宇宙の中には誰しもきっと何かしら琴線に触れるものが見つけられることでしょう。
■でも英語なんでしょう…?
いきなり英語の小説や長文の文献に当たるのではなく、日本語で読める資料(カードの絵やFT、公式サイトの翻訳記事やキャラクター紹介、MtG wiki、背景世界解説サイトなど)は存在しますので、そこからまず好きになれるキャラクターや世界設定を見つけるのが近道だと思います。逆に言うと、そういうモチベーションの元となれるものが見つけられなければかなり厳しいかもしれません。
そして、そのキャラクターや世界設定からじわじわと堀を崩していくうちに英文への慣れも生まれてくると思います。英語資料のとっかかりの個人的なおすすめは公式サイトで無料で読め、ストーリーも分かりやすく、台詞も(一部を除いて)簡単なPWコミックです。
更に言うならば、英文の塊を一文一文認識出来るように慣れることが重要ですので英語力なんてエキサイト先生やgoogle先生でいいんです。本当はいけないんでしょうけど、仕事や受験ではないのでいいんです。書いた人によって使う表現や単語にクセがあったりしますので、例えばずっとダグのSavor the Flavorやコミックを読み続ければ慣れも早いのかもしれません。
私の場合ですと、当時は別のTCGをやっており全くMtGをやるつもりは無かったのですが、そのゲームの重要な大会で起こったとある問題がMtGでも以前起こったらしいというのを聞いて、詳細を調べるためにMtG wikiを見たのがきっかけです。
そこからなんとなく公式サイトのプレインズウォーカー紹介を見て気になったキャラクターのコミックを読んだりし、キャラクター名で検索して様々なサイトから断片的に情報を得、英語でもwikiがあるというので検索によってMTG Salvationに行き着き、ストーリーの大体の概要を知ってから小説を読み始めるという、まずキャラクターありきの経路でじわじわと崩していきました。
結局は「背景世界の中で何かが好き、という気持ちがあればなんとかなる」という精神論ですが、結構それでなんとかなると思います。ただこれは諸刃の剣でして、好きになった部分が見当たらない記事などにはなかなか手が伸びないという欠点が…。
■なんかいっぱいあってよく判らないし、昔のはプレ値だし…
こんなことを言うと叱られるかもしれませんが、好きなところや気になったところをつまみ食いでいいと思うのです。そこから興味が広がった時に可能な範囲で手を広げればいいのではないでしょうか。
私がどれくらい昔のことに無知かといいますと、最初にMtG小説を読んだ時は「なんか滅びてるみたいだけどラヴニカのギルドって何?」というくらいでした。正直、今でもかなりあやふやです。特に知らなくてもちゃんと楽しめる、知ればもっと楽しくなるというのがMtG背景世界の懐の広さと奥の深さではないかと思います。
■わからないところはどうすればいいの…?
2chのTCG板の背景世界スレかTwitterの#mtgjpか#mtgjp_storyに質問を投げればおそらくそのうち返答が帰ってくると思います。しかし、出来る限り自分で調べてみると判明したときの喜びが増すでしょう。
■なんか怖そう…
とても残念な話ですが、確かに背景設定を無視したor逸脱した話に目くじらを立てたり、皮肉な物言いをする層というのは存在します。昔はよかった今のストーリーやキャラクターは駄目だと、今のも気に入っている人の前でわざわざ声高に言う層も存在します。
しかし、そういう層は結局はいつの時代にもどんなジャンルにもいます。そして同時に、親切に助言や知識を与えてくださる人々や、ともに盛り上がれる仲間というのもいます。
私も様々な方々との出会いと語らいによって、より背景世界を楽しんでいます。
■これだけの労力に見合う楽しみはあるの?
それは人それぞれとしか言えませんが、英語が得意な方ならいざしらず、そうでない場合は正直ここまで労力を強いるのは割りに合わない気もします。なので私は興味を持った友人知人に自分が得た情報を伝えることはあっても、原典にあたることまでは勧めません。
諸先輩方に叱られるかもしれませんが、原典にあたるのはそうしたい人だけでいいと思っていますし、FTやwikiや解説サイトの情報だけで楽しむのもアリだと考えています。
ただ、自分で記事や小説などの原典に当たって細かい描写を味わったり、様々なことが腑に落ちたときの気持よさはまた格別ですので、時間と機会があればぜひとも当たっていただきたいです。
■で、結局どうなのよ
そもそも英語が母語の人ですら「ストーリーしらない」っていう人もいます。
小説の発売告知は前日になってからじゃないと公式サイトに載りませんでした。
PWコミックは最初は翻訳されてたのに、今では翻訳されないどころか日本語設定にすると存在すら抹消されてるコミックもあります。
日本では気楽に入手できる萌えコンテンツがいくらでもあります。なので資料も入手しにくくわざわざ英語で読まなくてはいけないMtG背景世界を選ぶという必要もないという現実もあります。
もっとWotCさんは告知や周知に力を入れて、気楽に背景世界が楽しめるようにサービスしてくださってもいいんじゃないですかねぇ…(チラッチラッ
と、結局はそこに行き着くのでした。
実際売れないから仕方ない、なのでしょうけど。
個人的に背景世界を広めたがる理由が
背景世界好きが増える→新世代PW萌えが共有できる人が増える→私がニッコリ
という極めて私欲に満ちた理由なのがどうにもこうにも(ノ∀`)
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