今回は基本セット2013のファットパック同梱プレイヤーズガイドにありました各色の特徴&各プレインズウォーカーのロングフレイバーを訳出します。
PWについての文章は、当初ボーラスをちらっとだけ見ていつものように公式のPWミニサイト紹介文の使い回しかちょっとだけ改変かと思っていましたら、他のキャラクターを見ますと全くの新規かついままでにはない切り口でしたのには驚かされました。
あくまで英語力の低い筆者の勉強として訳してますので全くの誤訳や勘違いなども存在する可能性があります。もし見つけられた方はご教示くださると嬉しく思います。
(訳ここから)
多元宇宙の探求
マジック・ザ・ギャザリングのゲームは多元宇宙、無限に広がるファンタジー世界に設定されています。それらの世界は次元と呼ばれ、多元宇宙のそれぞれの次元はそれぞれが異なっています――巨大な一つの都市によって覆われた次元、あるいは野蛮な原野の次元、または全てが金属によって作られている次元などです。
多元宇宙のそれぞれの次元が固有の空想的なクリーチャーたちと秘儀魔法を有しています。すべての次元に共通する唯一のものはマナ、全ての魔法を満たす力です。マナは土地そのものから生まれます。それは場の根本的要素から自ずと湧き出てくるもので、魔道士は魔法を揮うためにそのマナを場から利用する方法を知っています。
魔道士は故郷の地を認識し、そこからマナを呼び出して呪文を唱えクリーチャーを召喚することができます。しかし大抵の魔道士は自身の世界についてのみしか知りません。彼らには己の世界を越えて無数の次元が存在することなど見当もつきません。しかし、多元宇宙の100万の魔道士に1人は「灯」、プレインズウォーカーになる可能性を与える無量の才能を持って生まれます。
プレインズウォーカーのみが自身の世界を越えて多元宇宙の次元を旅することが出来ます。彼らのみが次元の間に存在する空間である霊気に踏み入ることができます。彼らの本質によって、プレインズウォーカーは多くの場所のマナを呼び出すことができます。 彼らは膨大な呪文を次々と揮い、大群の味方を召喚できます。
あなたはそんなプレインズウォーカーの一人です。あなたは旅の中で、命を脅かすようなクリーチャーに出会い、そしてこの世のものとは思えぬ魔法を学ぶでしょう。あなたの才能はあなたへと新しい魔法を探し求めさせ、限界を試させ、運命を作り出して、そしておそらくはあなたの力を心ゆくまで試そうとする他のプレインズウォーカーの注意を引くように追い立てるでしょう。
ニコル・ボーラス
プレインズウォーカー。エルダードラゴン。世界の暴君。ニコル・ボーラスは多元宇宙で知られている最古の生命の一つだ。その邪悪さに匹敵するものは彼の無限の知性のみに他ならない。
プレインズウォーカーが老いる事も傷つけられる事もなく、定まった姿も持たず、彼らの経験と知識の及ぶ限りの力を持っていたのは、それほど昔のことではなかった。その後、プレインズウォーカーの灯は根本的に変化し、ニコル・ボーラスはその全能性から引き剥がされた。
神のごとき力を取り戻すため、ボーラスは全ての世界に干渉し、プレインズウォーカーを配下にするために集める計画の布石としてその住人たちを使った。ある者にはより大いなる力と計り知れない知識の約束で誘惑して。ある者には何千年もの時を経た彼の心のみが知る失われし魔法にて隷属させて。
しかし最古にして最強のプレインズウォーカーにとってさえも、その目標を達成するには数え切れないほどの策略が必要だろう。一方、僅かなプレインズウォーカーたちがドラゴンの計画の筋に気付き始めた。そして、彼らは多元宇宙の最古の悪に立ち向かうかどうかを決断しなくてはならない。
白
あなたが秩序の安定性と法の清らかな光に強く惹かれるのならば、数の力と社会の充足に優れる白マナに順応するでしょう。
黄金のたてがみのアジャニ
黄金のたてがみのアジャニは肉体と魂を浄化する白魔術を専門とするプレインズウォーカーです。その呪文は味方を癒し、強化し、そして他者の中の精神的な本質を呼び覚まします。
「何年もの間、私は最愛の兄ジャザルが殺された事によって散り散りにされた群れを元に戻そうと努めた。群れは私の白い毛皮と隻眼を本当には受け入れることはできなかったが、私は己の天性に忠実なままでいて、無垢なる者の上に版図を広げようとするものたちに立ち向かわなくてはならない。
今の私の使命はナヤの故郷より大きなものだ。暴虐的支配は広まり、そして私はその闇の王の一人と相見えた。私には判っている、全てが奴の意志に屈するまで休むことはないだろうと。多元宇宙はもう私の故郷だ」
青
欺瞞の幻覚的な領域と究極の知識の追求へと惹きつけられるのならば、あなたは青マナによって霊感を得るでしょう。大海と精神の底知れぬ深みがあなたを待っています。
ジェイス・ベレレン
ジェイス・ベレレンは青い魔法を揮うプレインズウォーカーです。彼の専門は読心、幻影、知識や詐術の呪文といった精神魔法です。
「最初にラヴニカに来た時、俺は子供だった。精神魔法を使えば友達はすぐに作れた。だけどあてどない俺の生き方は他の奴らにとって好都合だった。俺は俺にとっては無益なゲームの駒になった。そして、俺は自分を守るために一番の親友を犠牲にした。
今、そのゲームは無効試合となり、それが俺が思っていたより遥かに大きなものだったと知った。それは次元を股にかけたゲームで、その賭け金がどれだけ高いのか俺にも判り始めてきた。俺は心に決めた、もう駒にはならない。絶対に」
黒
悪魔のような力を求めて闇の領域を探求することをも恐れないならば、あなたは黒マナに浸ることを切望するでしょう。ぞっとするようなものどもがあなたの命令を待っています、そして全てのあなたの狂った野心は留まることなく支配します。
リリアナ・ヴェス
リリアナ・ヴェスは黒魔術を揮うプレインズウォーカーです。彼女の専門は屍術で、その呪文は死者を蘇らせ、生者を堕落させ、そして死より力を解き放ちます。
「死は愚か者のためのもの。ある連中は私をやり過ぎだと考えてるかもしれないけど、連中はつまらないし、私は飽きっぽいの。それに、私の手下どもは素敵よ。もちろんあのデーモンたちと彼らに負ってる『借り』というちょっとした問題もあるね。鎖のヴェールを持った今となっては、その気障な地獄生まれのうち二人は死んでおねんねしてるし、私は三番目に向かってる所さ。もう何も私を止められない。もちろんあのうすのろガラクなんかじゃ駄目さ。死そのものですらね。」
赤
戦いへの衝動を感じて地獄の釜の中の混沌に飛び込みたいのなら、あなたは赤マナによって燃えることを求めるでしょう。腑抜けな敵を打ち据えるために空から炎と稲妻を引き下ろすのです。
チャンドラ・ナラー
チャンドラ・ナラーは赤魔法を揮うプレインズウォーカーです。彼女の専門は紅蓮術です。その呪文は炎、炎、またさらなる炎。
「みんなはいつも人を枠に嵌めたがるけど、たとえ時々火傷することがあっても、あたしはそんな枠を全部粉々に吹き飛ばして自分自身の道を切り開くので、人とは反対方向から衝突しがちだ。大抵の人たちは他にどうすることも出来なかったかのように、寄り集まって生きている。あたしはそうじゃない。あたしはあたし自身の取り決めで生きる。あたしは自分の中にどんな魔道士とも――それとそいつが乗ってるドレイクとも――やり合うのに十分な炎をいつも抱えているから、あんたはショウの始まりに控えているあたしを見つけられないだろうね。あたしがそのショウさ」
緑
生命の鼓動を強く感じ、原野にくつろぎを覚えるのならば、あなたは緑マナを注がれることに焦がれるでしょう。獰猛さと力が群れを支配します、そして自然の生々しい力は抑制されないままに委ねられます。
野生語りのガラク
野生語りのガラクは緑魔法を揮うプレインズウォーカーです。彼の専門は自然魔法で、その呪文は土地から豊富なマナを引き出し、野獣を召喚し、召喚したクリーチャーの獰猛さと力を解き放ちます。
「自然は与えてくれる。父さんはそう教えてくれた。言葉は偽るが自然はそうしないということは俺には言うまでもなかった。俺はそれを自分で学んだ。俺は自分の取り分以上のものは何も取らず、そして痕跡ものこさず、狩人として暮らした。だが多元宇宙をさらに知った時、どんな森よりもはるかに大きな危険を感じた。ここには全世界に忍び寄る捕食者がいる。これは多元宇宙において俺の技量と限界への真の試練となるだろう。」
(訳ここまで)
ほとんど公式サイトと同じ内容のボーラス先生以外は、なんとPWの自分語り!
アジャニは異端の自分を受け入れてくれなかった群れに対して捻くれるのではなく自分の特技を生かして尽くして認められようとするその高潔な心、より大いなる使命に目覚めたその視野と、まさに英雄の典型ともいうべき内容です。
そしてジェイスはさりげなく恐ろしいことを言ってるような…? でもカリストのことが公式に忘れられてなくて密かに嬉しかった。アジャニとは違ってあくまで自分の身の振り方を念頭に置くあたりが彼らしいというかいかにも青というか。まあ一度は悪に利用され、今もボーラスやテゼレットが利用しようと狙っているという立場なので仕方ないね。「fast friend」で親友という意味になるので「make friends fast」の解釈にちょっと悩んだ。
リリアナはもう本当にどうしようもない女だな(褒め言葉)。ノリノリである。これはどうみてもろくでもない末路になるフラグですね…間違いない。
チャンドラは…うーん、これも酷い(褒め言葉)。女性PW陣はどうしてこうなのか。 「地獄の釜の中」と今回訳した箇所の原文は「into the maw of hell」、カード名にもある通り《地獄の口の中/Into the Maw of Hell》なのですが、日本語としての通りを優先しました。
ガラクはそれにしても何度同じネタを…いい話なので仕方ないね。しかしこれはガラクもボーラスへと対抗する伏線…?
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