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2013/01/14

【MTG:背景小説私家訳】Return to Ravnica: The Secretist, Part One サンプルチャプターその4


前回の続きで、ラヴニカへの回帰小説である「The Secretest Part One」(日本のKindleストアではこちら)のサンプルチャプター

Return to Ravnica: The Secretist, Part One
http://media.wizards.com/images/magic/merchandise/ebooks/The_Secretist_Part1_CH1.pdf

を訳出します。

サンプルですがそこそこ長いので、段落ごとに数回に分けて掲載していきます。 前回「次で終わりのはず」といったな、あれは嘘だ。小さい段落があるのでまとめてやろうかと思ってたけど、その次がクッソ長いのでやっぱり一端分けたよ!という訳で今度こそ次で終わりのはず…。

あくまで英語力の低い筆者の勉強として訳してますので全くの誤訳や勘違いなども存在する可能性があります。もし見つけられた方はご教示くださると嬉しく思います。




The Secretist(秘密主義者)

 セレズニアのエルフ女がその建物から立ち去る頃には街路灯は点り始めていた。ミルコ・ヴォスクは建物の平らな屋根の棚の上に立ち、夜闇の中へと彼女が歩き去るのを見張っていた。彼女の追跡については既に成果は上がっていたが、それは彼が予想した方向でではなかった。

 ヴォスクの目は街路灯の明かりを猫の様に反射させ、寒い夜にも関わらず彼の上半身は殆ど裸だった。ヴォスクはその鋭い耳で盗み聞きをしていた煙突口へと再び向かったが、彼女が訪問した男の声はもう聞こえなかった。彼女はその男へと明確な興味を示しており、その知人の事をジェイスと呼んでいた。彼女は彼の才能――恐らくはなんらかの魔道士としての――に信を置いていた。そしてこのジェイスという者は、己がある種の模様か暗号についての研究を行なっていると述べていた。

 それこそが、まさしくミルコ・ヴォスクの主が望んだであろう類の情報だった。セレズニアの女は旨そうな匂いがした、そして彼女がトロスターニへ直に会えるということには価値があった。だが、ヴォスクは今や標的は一つだけではないことに気がついた。

 ミルコ・ヴォスクは建物の棚から踏み出した。落下するのではなく、彼はさり気なく、優雅に立ったままで夜空の中を滑空した。隠れし主との謁見を求める刻は至った。


(その5に続く)


どう見ても怪しいどこぞのギルドの工作員が登場しました。隠れし主…一体何者なんだ…?(すっとぼけ)

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