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2013/03/03

【MtG 背景世界:翻訳】Wired.comによるDoug Beyerインタビュー

今回はWired.comによるDoug Beyerへのインタビュー

Interview with Doug Beyer – Author and Designer for Magic: The Gathering
Wired.com - Geek Dad: Tony Sims 2013年2月28日
http://www.wired.com/geekdad/2013/02/interview-doug-beyer/

を訳出します。

内容は主にWotCのクリエイティブ・チームについてと「The Secretist」の宣伝ですが、ドラゴンの迷路のカードについて驚くべき発言も含まれていました。



あくまで英語力の低い筆者の勉強として訳してますので全くの誤訳や勘違いなども存在する可能性があります。もし見つけられた方はご教示くださると嬉しく思います。






Doug Beyer、マジック・ザ・ギャザリングの作家・デザイナーへのインタビュー


今週の頭、正確に言うなれば2月26日にウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は大人気カードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」の短編小説、「The Secretist」シリーズの二作目をリリースした。一作目は「ラヴニカへの回帰」に位置していたが、今回の新作は「ギルド門侵犯」にあたる。私はダグ・ベイヤー、このMTG小説の三部作の作者にしてWotC社クリエイティブ・チームの主要メンバーへのインタビューに成功した。


シムス(以下S): 「The Secretist」シリーズをご存知でない方々のために、少々の予備知識を語っていただけませんか?

ダグ(以下D): よろこんで。「The Secretist」は三部にわかれた電子書籍シリーズで、プレインズウォーカーのジェイス・ベレレンがラヴニカ次元の古えの謎を探求する物語なんだ。ラヴニカは巨大な都市に覆われており、10の強力で冷酷なギルドによって支配されている世界だ。ジェイスはラヴニカに長く埋もれていた秘密を発見してギルド間の陰謀の真っ只中に乗り入れてしまった時、己の謎解き好きな性分とトレードマークとも言える読心能力がトラブルを招いたことに気がついたんだ。


S: あなた自身の経歴について少し話していただけませんか?

D: 私はライターとデザイナーとしてマジック・ザ・ギャザリングのクリエイティブ・チームで働いている。それはマジックのR&D部門の一部だ。2006年よりマジックの設定、カードの名前、フレイバーテキスト、ストーリーライン、そしてあらゆるフレイバーに関する部分の作成を手伝った。彼らはまだ私をシアトルの路上に放り出してない――これまでのところは順調だよ、私が思うにね。クリエイティブ・チームの前には、私はウェブ開発者としてMagicthegathering.comのサイトのコードを書きながら空いた時間にカードのフレイバーテキストを書いていたんだ。私は他にもマジックの物語を書いたよ、小説の「Alara Unbroken」とかね。


S: MTGクリエイティブ・チームのメンバーであるということは、あなたに物語を仕立てあげる自由を与えますか?

D: 答えはイエス、私は物語を創作する上で大いに自由がある――しかし物語がカードセットや進行中の物語と連結する必要から、私はマジックの設定の連続性に則って確実にうまくやらなくてはならなかった。マジックの20年の歴史にはたくさんの背景ストーリーが築かれていて、そして我々には数年先までに及ぶ未来のストーリーラインの計画もあるんだ。全ての詳細がマジック全体のものとフィットする事を確認しながら私の語りたい物語を語るやり方を考えるというのは面白かった。

「The Secretist」の場合は、多くの主要な構想がクリエイティブ・チーム内で話し合われ、そして私が実際に物語を書くときに詳細が与えられた。我々はジェイスが主人公になると判っていた。イゼット団と彼らのギルドマスターであるドラゴンのニヴ=ミゼットに何かがあることも、そしてラヴニカの歴史に埋め込まれた秘密があるだろうことも。そして、私が与えるべきものはそれら全てがどう展開するかという詳細だ。


S: 明らかにカードは物語の前に印刷されて流通していますが、物語を考えることとカードの作成はどちらが先ですか?

D: あなたは物語とカードが大変上手く絡み合っているのを見るだろう。私はR&Dの同僚たちがラヴニカへの回帰のプレイテストしているのからすら離れて猛烈に書いていたけれど、例えばギルドの特徴がいかにカードのメカニズムにおいて具体化していたかを見ることが出来た。そして私はクリエイティブ・チームで働いているので、創作における「聖書」とも言うべきラヴニカのワールドガイドの作成に関わった。それはラヴニカの見た目や感じを示しているんだ。

同時に、私はカード開発者たちと共に働いて、カードのメカニズムに影響を与えたり、より一層物語と整合性をもたせるようにすることも出来た。例として、我々はセレズニア・ギルドのエルフでジェイスの大切な友人であるエマーラのカードを作成した。それはいくぶんややこしかった――そのためには多くの共同作業があった。その結果として生まれた物語があらゆるファンタジー愛読者やカジュアルなマジックファンを惹きつけるだけでなく、このゲームに深く入れ込んでいる人たちにも満足いくようなカードとの合致を持つことを私は期待している。


S: この短編の三部作が発表された後には、これらは纏めて一冊の本になりますか? それは印刷された本としてリリースされるでしょうか?

D: この電子書籍の三部作が一冊に纏まるかどうかは私には判らない――これらが「カチッ」と嵌るように纏められるべきかどうかは発行人次第だと思う。今の所、紙の本としての形での出版計画はないよ。「The Secretist」は、電子書籍のみの小説への反応を測るために、実験的に電子書籍限定でリリースされた。もしそれが印刷されないならば、ウィザーズ社は生産コストを低く保てるし、我々は従来のペーパーバックやハードカバーより安い値段で電子書籍を販売できる。読者はKindleやNookなどの電子書籍リーダーすら必要無く、スマートフォンやタブレットPCやパソコンで無料アプリを使って電子書籍を読むことが出来るんだ。この実験がどうなるかを決めるのは、最終的には読者に委ねられている。


S: あなたの主人公、ジェイス・ベレレンはどういう人物ですか? 彼のコンセプトはどこから由来してますか?

D: ジェイス・ベレレンは、ローウィンでプレインズウォーカーカードがマジックにお披露目された際の最初の5人のキャラクターの1人として初登場した。彼はBrady Dommermuth(初期コンセプトとジェイスの全体的なアイデンティティ)と、アートディレクターのJeremy Jarvisによる監修の下でアーティストの Aleksi Briclot(ジェイスの外見的デザイン)によって創り出された。

ジェイスは精神魔道士だ。彼は心を読み、錯覚や幻影を生み出し、人々の潜在意識深くの記憶すら改変できる。なので彼はラヴニカのギルドの秘密を探求するのには最適だ。しかし同様に取り憑かれたように強い好奇心も持っており、明かされる事を好まない強力な人々の秘密を詮索せずにはいられないんだ。ジェイスは自分自身を困難に陥れる能力を完全に一揃い持っており、本当にひどい事――思考改変への誘惑にかられる、これら全ては物語の作者にとって素敵な情報だ。ジェイスは善と悪の両方の可能性と深みでいっぱいに書くべき素晴らしいキャラクターだ。


S: 第三部ではどうなるのか少し話していただけますか?

D: こんなに早くに多くの詳細は話せないよ。ただ、ギルドの緊張は増大していき、そして何かしらが崩れざるを得ない。闇に潜む工作員たちは隠された目的によってギルドが互いに大して武器を向け合うように仕向ける。一方、ジェイスは彼が逃れようとした暗号の秘密の裏に潜む真実を知ろうと苦闘する。最終的に、ジェイスはこの都市世界の陰謀の縺れにどれだけ関与しようとするか決断しなくてはならないだろう。彼はプレインズウォーカーだ、それは彼が逃げることにおいて類を見ない能力を持つことを意味する――彼はただ次元を去って、ラヴニカを彼無しで混沌へと委ねることが出来る、そして彼は何が自分にとって最も大切なことかを決めなくてはならない。最後に、彼のプレインズウォーカーとしての本質が鍵となるだろう。


S: あなたは他には何に取り組んでいますか?

D: 私は将来のマジックの世界とカードセットに携わっている――入念に作り上げられた一連の驚くべきことをネタばらしをせずに、詳しく言うことは出来ない。我々は(検閲済)のカードセットのテキストの最後の仕上げをして、(検閲済)のためにびっくりするようなアートを注文して、来るべき(検閲済)の世界設定の細部に取り組んで、(検閲済)に繋がるストーリー計画を建てている。楽しい物になるよ! だけど今の所は、秘密だ。


S: 空いた時間にあなたは何をしていますか?

D: 読書、料理、他の物語の執筆、ドラムの演奏、そして瞼を開きっぱなしに固定する時計じかけのオレンジ式の工程で絶え間無くインターネットのコンテンツを消費してるよ。


S: あなたは最近どんなゲームをしましたか? ビデオゲーム、カードゲーム、ボードゲーム、TRPG?

D: 私はiPhoneのゲームやボードゲーム、PCゲーム、ソーシャルゲーム、そしてTRPGにちょっと手を出した。だけど真面目な話、もし私の頭頂部を輪切りにしてみたら脳組織の多くがマジックで占められているのが見えるだろう。私が何か新しい事を学ぶには、マジックについて考えるために使用済みの脳神経のセットを廃棄しないといけないね。


S: 最後に何か一言。

D: 私に「The Secretist」について話す機会をくれてありがとう。君たちがパート2を楽しんで、しかしそれが君に深く、蝕むような怒りを残していってほしい――「Dragon’s Maze: The Secretist Part Three」がリリースされることでしか止めることが叶わぬ怒り狂う精神の叫びをね。



(訳ここまで)


なんとついにエマーラがドラゴンの迷路でカード化!
Agents of Arttificeの作者にしてエマーラの創作者であるAri Marmell氏が「エマーラは最初名前もっと長かったけどWotCがカード化するとき困るからもっと短くしてっていったから変えた、でもカードまだ作ってくれない( ◞‸◟)」とWotC公式コミュニティで発言(こことかここ)してから幾星霜、待望のカード化です。

そして、わざとなクリフハンガーやめーや! でも待っちゃう…くやしい…っ(ビクンビクン

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