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2011/03/27

燃え尽きぬ炎の時代

電撃マ王の漫画「燃え尽きぬ炎」がまもなく最終回を迎えようとしてます。原作はプレインズウォーカー・ノベル第二弾「Purifiying Fire」なのですが、なぜか単行本でも公式サイト上でも一切言及されません。権利関係か何かの深い大人の事情でもあるのでしょうか…。

燃え尽きぬ炎がどの時代に位置するのか?ということですが、ボーラスやテゼレットの状態やグリクシスの存在によりアラーラの断片ブロックのコンフラックス前とまで特定できる「Agents of Artifice」や、同じくテゼレットの状態によりゼンディカーブロックのPWコミック「Enter the Eldrazi Part 3」以降(エルドラージ覚醒)でミラディンの傷跡前と特定できる「Test of Metal」と違い、この漫画にはブロックを特定できるはっきりとした要素が今のところはありません。

数少ないヒントは、巻物が何なのか?ということと、ギデオンの存在、そして漫画ではおもいきり省略されています「青の魔道士との大立ち回り」です。

まず巻物についてですが、公式サイトのPWコミックの日本語訳がついている範囲でも判ります。「ヴェールの呪い/The Veil's Curs Part 3」ラストにおいて、ガラクが本物の巻物を見てゼンディカーの地図と見抜きます。そして、未訳範囲では写本を持ったチャンドラのゼンディカーにおける冒険もコミック「Journey to the Eye Part 1 , Part 3」や「Awakenings Part 1,Part 2 , Part 3」で描かれています。
逆に、チャンドラが巻物を盗んだ理由などコミックのみでは判らなかったことが漫画の方で判ります。

ギデオンについてですが「ケフ砦の戦い/ The Battle of Fort Keff」を見ると判りますとおり、チャンドラとの別れの後に彼女を追ってゼンディカーに向かったことが示されています。

この二つによって、「ラストはゼンディカーブロック以前」であることが判ります。

次に「青の魔道士との大立ち回り」ですが、これはPWコミック「炎に注ぐ油/Fuel for the Fire Part 2 , Part 3」で詳細が描かれています。Part 2冒頭で青の魔道士ことジェイスは「共同体(Consortium、現在の訳語では連合)」に所属しており、ケファライの星の聖域の僧院長の依頼を受けています。時間軸を探るのに注目するところは「共同体=無限連合が僧院長にジェイスの背後関係を隠蔽できている」という点であり、「連合がラヴニカ以外でも組織として機能している」ということになります。テゼレット排除後の連合は多次元間陰謀団としては機能できなくなっており、その後を引き継ぐことになったジェイスが率いているのはラヴニカ支部のみです。そこからはジェイスがテゼレット支配のもとで工作員だった頃にケファライに派遣された、と推測できます。
(追記:2011年6月27日付でこの件についての補足記事を追加しました)

よって、「冒頭はコンフラックス以前」と思われます。

ついでにもう少し「炎に注ぐ油」の時期を絞りますと、ジェイスが意図的な記憶消去を精密に可能であり、なおかつそれに躊躇いを見せない点と、ラヴニカ以外の次元でのエピソードである点から、彼の初の次元を越えた任務であり、精神操作術を意図的に使うようになったきっかけでもある神河の任務(Agents of Artifice :Chapter 13-14)の後ではないかと推測できます。ただし、ジェイスが連合に加入してからテゼレットを倒すまで3年以上の期間(そのうち半年以上は連合からの逃亡生活)があり、その間のいつかということは少なくとも参入して2ヶ月以上は経っているということまでしかわかりませんでした。

この二つから、「燃え尽きぬ炎」の時間軸は「コンフラックス以前からゼンディカーブロック直前にかけて」と推測できます(あくまで推測ですが)。

まったくの余談ですが日森先生版ジェイスはデュエルデッキ:ジェイスvsチャンドラのカード以上に、漫画第三話の回想シーンでの無機質な目をしてるちっちゃいコマが心の大事な部分を壊されていった工作員時代っぽさが出ていて素敵だと思います。そして、最新号でギデオン兄貴が髪の毛を解いた上にデコ出しに鎧着用でイメチェンして、カードにイメージをなんとか近づけようとしているのに胸が熱くなりました。

2 件のコメント:

  1. いつもながら丁寧で素晴しい考察ですね!

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  2. ありがとうございます。
    そこまで仰られると照れてしまいます!

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